売却後の税金等について


 不動産の売却時に、意外と大きな出費になるのが「税金」です。かなり高額になることも多いので事前に把握できたらいいのですが、税金の話は専門用語が多く、理解しづらくて困ってしまいます。厳密な額が知りたければ税理士または税務署に相談するのが良いですが、専門家への相談は少し敷居が高い感じがします。

 そこで、税金初心者でも大まかな税額を把握できるように、基礎知識だけをわかりやすく解説していきます。

 また、老齢健康保険や後期高齢健康保険で、保険料や医療費が上昇する場合も解説いたします。

●不動産売却に際して「印紙税」「譲渡所得税」「住民税」が課税される

 売買契約時には「印紙税」を、売却後の確定申告することによって「譲渡所得税」と「住民税」を支払うことになります。

 これらの税金を考えずに売却計画を立ててしまうと、「想定していたより手元に残るお金が少なかった」という結果になりかねません。とくに、売却資金を新居購入などの費用に充てようとしていた場合は致命的です。

後で困らないように、それぞれの税金がどんなものでいくら必要なのか、ひとつずつ見てみましょう。

印紙税

 不動産売買契約書には、契約金額に応じた収入印紙を貼付します。売主と買主が1通ずつ売買契約書を所有するためには、それぞれが印紙代を負担することが一般的です。

 契約金額別印紙代及び時限的軽減措置の適用当は、国税庁のホームページ等を参考にしてください。

健康保険料・医療費

国民健康保険と後期高齢者医療制度に加入している人は上がる可能性が大です。

私達が加入している健康保険には、会社員が入る健康保険(保険者は組合健保、協会健保)、公務員等の加入する共済組合保険(保険者は国家公務員共済組合・地方職員共済組合等)、自営業者等や自由業者等の加入する国民健康保険(保険者は市区町村や職域国民健康保険組合)や75歳以上の高齢者の後期高齢者医療制度(保険者は都道府県の後期高齢者医療広域連合)に大別出来る。

この中で健康保険や共済組合保険の保険料は月々の収入を一定の基準に合わせた標準報酬月額に対して保険料率(健康保険料や介護保険料)を掛けて算出された保険料を労使折半(組合健保は会社負担の割合が多い)している。この場合の収入には不動産の売却による収入は含まれない為、被保険者の保険料は変わらない。

 但し、扶養されている配偶者や親族が不動産の売却によって一定の収入(60歳未満130万円、60歳以上180万円以上、且つ被保険者の収入の1/2)を超えると、例え一時的な収入であっても扶養から外れる場合があり、国民健康保険に加入する必要がある。扶養から外れるか否かは保険者によって対応が異なるので、保険者に確認をすると良いでしょう。

譲渡所得税・住民税

売却によって利益が出た場合にのみ支払う税金です。
譲渡所得とは、不動産の譲渡価額から不動産の購入~売却までにかかった費用を差し引いた最終的な利益もしくは損失のことで、ここから更に、状況に応じた特別控除を差し引くと、実際に課税される金額が算出されます。

国民健康保険と後期高齢者医療制度に加入している人は上がる可能性が大

国民健康保険や後期高齢者医療制度の場合には不動産の売却で得た収入は保険料に影響する。 国民健康保険料の場合には、保険料は医療費分、後期高齢者支援分、介護費分(※2号被保険者のみ)についてそれぞれ、所得割、均等割、平等割、資産割等の4つの賦課方式があり、保険者によって2~4方式で賦課される。後期高齢者医療制度の場合は所得割と均等割のみである。通常、不動産の売却は数百万円から数千万円と高額であり、不動産を売却して収入があった場合には一時的に高額所得者になるので、保険料が限度額(70~80万円程)まで上がったり、また、現在1割負担であっても一時的に現役並所得者として3割負担となる場合もあるので、注意が必要である。但し、翌々年には収入が戻るので、保険料は戻るので、安心されたい。

 尚、居住用の財産を売却した場合には3,000万円特別控除が利用できるが、所得割は3000万円特別控除後で判断される。

 ちなみに、国民健康保険や後期高齢者医療制度には扶養という概念はなく、被保険者が各々加入している、納付義務者が世帯主であるため、扶養されていると思いがちだか、前述の通りなので扶養からはずれる云々の話はない。

 最後に、健康保険料ではなく、親族の所得税法上の扶養(扶養親族)に入っている場合には、不動産の売却によって一時的に被扶養者が扶養から外れ、扶養者の所得税が上がる事もあるので、留意されたい。